男性必見!薄毛治療(AGA)のプロが教える治療薬効果・副作用比較!フィナステリド vs デュタステリド【女性の薄毛も】

茨城県古河市で皮膚科・美容皮膚科を開業しております、皮膚科診療歴20年以上の医師の生垣英之です。
こちらのブログは、AGAー男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)ーの原因や治療、薬の副作用について、皮膚科専門医が解説するブログになっております。
いけがき医師
いけがき医師

年齢を重ねて、髪の毛のボリュームが減ってきたような…。気にはなるけど、どうしたらいいのー?

という薄毛でお悩みの方はぜひ御覧ください。

こちらのブログの内容は以下のYou Tubeでもお話しております。

まず、AGAとはなんでしょう?

AndrogeneticAlopecia(アンドロジェネティックアロペシア)の略で、男性型脱毛症のことです。

主に頭頂部と前頭部の髪が薄くなる症状です。

これは男性ホルモンが大きく関与しており、特にジヒドロテストステロンというホルモンが、毛根を縮小させることで知られています。
ジヒドロテストステロンは、テストステロン5α-リダクターゼという酵素の作用によって変換されたものです。

このジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞に結びつくと、毛の成長期間が短くなり、結果として毛が細く短くなってしまいます。

具体的には、毛には成長期退行期休止期という期間を繰り返すヘアサイクルにより、伸びたり抜けたりを繰り返しています。

毛周期

 

通常は男性の頭髪で3〜5年ほどの成長期ですが、そのジヒドロテストステロンというホルモンが原因となり、成長期を数ヶ月〜一年程度と大幅に短くしてしまいます。

AGA治療は、極端に短縮されたヘアサイクルをAGA発症前の正常なヘアサイクルに戻す治療です。
ただしこのヘアサイクルとは、永遠に続くものではなく一つの毛穴の一生のうちヘアサイクルが行われる回数は15〜20回と言われています。

ヘアサイクルが、20周すると、毛根の寿命が終わり、それ以上はその毛根からいくら治療をしたとしても髪の毛が生えて来なくなります。そのためAGAはできるだけ早く治療を開始したほうがいいと言えます。

AGAの進行

Hamilton-Norwood(ハミルトンノーウッド)スケールで分類されます。

このスケールは、脱毛の程度に応じてIからVIIの段階に分けられており、Iが最も軽度でVIIが最も進行した状態を示します。日本では この分類に高島分類の頭頂部が薄くなるII vertex を加えた分類が広く使用されています。

初期段階では、生え際の後退が見られ、次第に頭頂部が薄くなっていきます。進行すると、頭頂部と前頭部の脱毛が合流し、最終的には馬蹄形の髪型になることが一般的です。

遺伝的要因もAGAには影響します。家族にAGAの人がいる場合、同じ状態になる可能性がありますが、必ずしもそうなるわけではありませんAGAは進行性の状態ですが、早期に発見し適切な治療を行うことで、進行を遅らせたり、症状を改善することが可能です。

AGAの診断

問診により家族歴,脱毛の経過などを聴き,視診により額の生え際が後退し前頭部 と頭頂部の毛髪が細く短くなっていることを確認する。

当院ではダーモスコピーの使用も診断の手助けと なります。

AGAの治療

内服薬と外用薬があります。AGAは保険治療の適応ではありません。

自由診療になります。それなので、慎重な治療が必要になると思っています。

AGAについては、日本皮膚科学会のガイドラインが発表されています。

そこで推奨されている治療は、内服薬2種類(フィナステリドデュタステリド)と外用剤はミノキシジルになります。

当院でもその3つを治療薬として扱っています。これからその3つの薬を説明します。

フィナステリド、デュタステリド

フィナステリドは、5α-リダクターゼの働きを阻害し、ジヒドロテストステロンの生成を抑えることで毛髪の成長を助けます。頭頂部の写真撮影による効果判定では,1年で58% が軽度改善以上の効果があり,3年間継続した場合は、78%の症例で得られ,その率は増加傾向を示しています。

一方デュタステリドは,テストステロンをより強力なジヒドロテストステロン(に変換する5-αリダクターゼのI型,II型両者に対する阻害剤です。

デュタステリドを1日0.5 mg内服した人とフィナステリドを 1日1 mg内服した人比べた比較試験においてデュタステリドの方が効果が認められました。それなので、デュタステリドの方が効果が高いと言われています。しかし、デュタステリドが必ず良いかというと、そうではありません。

むしろ初めて治療する方は、フィナステリドをおすすめしています。理由は以下の3つです。

フィナステリドおすすめの理由

1つめ 一般的にデュタステリドの方がフィナステリドより副作用が強いことです。共通して言われる副作用は男性機能不全です。男性機能不全とは具体的には、性欲減退や勃起不全です。肝機能障害もでる事もあります。肝機能障害については、かなり悪くなってからではないと、症状がでないため、血液検査が必要になります。その際には、保険が効かないため、自費にて血液検査を行います。他には、男性不妊に関わる精子の形成不全や精神状態の悪化も可能性としてはあるという報告がされています。またデュタステリドの方が半減期が長いため、副作用がでた際に、すぐに薬を中止しても、副作用が遷延してしまう可能性があります。あとは、前立腺癌の腫瘍マーカーである血清前立腺特異抗原(PSA)の値にも影響を与えます。PSA値が本来の値から約50%減少するため、内服中のPSA値は2倍にして評価する必要があります。
病院などで前立腺癌のスクリーニングとしてPSAを測定する場合には、必ずフィナステリドやデュタステリドを内服していることを申告しましょう。
色々と副作用について話しましたが、基本的には安全性が高い薬とは思っています。
2つめは、 フィナステリドは全世界的に使用されており、デュタステリドはまだ日本と韓国でしかAGA治療薬として承認されていないという点です。まだAGA治療薬としての歴史は浅いです。
3つ目は、デュタステリドの方がフィナステリドより値段が高いです。

以上の3つの理由から、まずはじめはフィナステリドからスタートしてもらう事が多いです。もちろん希望者には、デュタステリドからスタートする事もあります。よく医師と相談してから決めてください。

内服薬の注意点

すぐに効果がでるわけではありません。内服して半年後に評価して現状維持も含めた現状維持以上であれば効果ありとして継続していきます。

あと、内服初期には毛の周期サイクルの関係から初期脱毛と言って毛が抜けることがありますが、これはあまり気にしないようにしてください。

最大の問題点としては、基本的に内服している間しか効果がありません。なので、いつまで内服すれば良いかという答えに対しては、自分が満足するまでという答えになります。ここが勘違いしている人が多い点です。

ミノキシジル

外用薬としては、ミノキシジルが広く使用されています。これは血管を拡張し、毛母細胞への血流を改善することで、毛髪の成長を促進します。

女性用もあります。女性の方は、先程のフィナステリドやデュタステリドは内服できないため、女性用のミノキシジルを処方いたします。

ミノキシジルの副作用

男女を通して瘙痒, 紅斑,落屑,毛包炎,接触皮膚炎,顔面の多毛などが 報告されています。

ミノキシジルの内服

ミノキシジルの内服薬を処方しているクリニックもあるようですが、現時点での日本皮膚科学会のガイドラインでの推奨度はDになります。Dというのは、行うべきではない.という結論です。

ちなみに先程紹介した3種類の薬は、Aになります。Aというのは強く推奨するという結論です。

もちろん日本皮膚科学会の見解が全てではありませんし、自由診療になりますので、治療の自由度があっても良いとは思います。ただミノキシジルは元々降圧薬として開発された内服薬で、副作用として、胸痛,心拍数増加,動悸,息切れなどが知られていますので、医師とよく相談してください。

あと、一般的な話しになりますが、バランスの取れた食事、規則正しい生活、良質な睡眠、禁煙というのも心がけると良いと思います。

最後に

これを見ている方は男性の方がほとんどと思われます。自分も男なので、髪の毛が気になる気持ちは良くわかります。髪の毛が薄いとどうしても年齢よりも年をとって見られたりしますよね。お風呂上がりに鏡をあ見ると大丈夫か不安になり、浴槽について抜け毛の量を見てため息がでてしまうこともあります。後ろの人の視線がきになってしまう事や、話していても目線が髪にくると不安になりますよね。以前はAGAの治療と言えば漫画雑誌などの後ろにのっている商品だとか、テレビCMの商品とか、ネットを利用している際に、AGAの広告の商品などを買って塗り薬をつけていた時代がありました。今は違います。病院で治療できます。しかも有効率はかなり高いです。ぜひ、病院で相談してみてください。

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